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2024.03.25

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ソニーグループ(株)の高塚 進が、OSM2024で「EVSによる海中粒子定量化技術開発」について招待講演

ソニーグループ(株) 先端研究部の高塚 進 (2021年9月より国立研究開発法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 客員研究員を兼任) は、JAMSTECの研究員 宮本 教生氏、川口 慎介氏、先端研究部 佐藤 秀仁との […]

プランクトンなどの生物のイメージ

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  • 高塚 進

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ソニーグループ(株) 先端研究部の高塚 進 (2021年9月より国立研究開発法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 客員研究員を兼任) は、JAMSTECの研究員 宮本 教生氏、川口 慎介氏、先端研究部 佐藤 秀仁との共同研究の成果として「イベントベースビジョンセンサ (EVS) による海中粒子定量化技術開発」について、米国 ニューオリンズで開催されたThe Ocean Sciences Meeting (OSM) 2024において、招待講演を行いました。

Ocean Science Meeting 2024
海洋科学会議 (OSM) は、隔年で世界中の海洋研究者が一堂に会する最も大きな海洋科学の国際会議の一つです。


本研究は、イベントビジョンセンサー (EVS) を用いてリアルタイムに海洋環境を捉える、海洋粒子のビッグデータを生成する観測システムの構築を目指しています。従来の海洋環境センシングでは、採水した海水をろ過して試料化した状態を顕微鏡で観察する方法が一般的ですが、従来の方法では粒子の動的な観察を行うことが出来ず、本来の海洋環境を捉えられません。

この問題を解決するため、EVSを用いてセンシングすることで、カメラシステムを海洋中に設置して観察する対象物を動的に捉えることが可能となります。また、EVSは従来のイメージセンサに比べ、海洋粒子をセンシングに適した特長として、粒子の動きを正確に捉える高フレームレート、暗い海洋中の低輝度の変化を捉える、変化点のみを出力することによる省データでの低消費電力などの機能を併せ持っています。現在、我々の研究ではシルエット、ベロシティ、周期性の3つのジャンルで22の異なる特徴を見出しています。

また、従来撮影に用いられてきた白色光の照明は、プランクトンなどの生物が光に引き寄せられる“走光性”を持つため、自然の状態を正確に測定することができませんでした。EVSは近赤外光のわずかな変化も捉えることができるため、ほとんどの生物に影響を与えない波長760nmの照明を用いることが可能となり、非侵襲での測定を実現できました。これらのシステム構成によって得られた138個の測定結果 (カイアシ類成虫/カイアシ類幼虫、貝、ヒトデ類幼虫、粉塵の5つの粒子の混合物) をディープラーニングによって分類したところ、テストデータによる検証では81%の正解率が得られました。さらに、カイアシ類の成虫/幼虫の区別を排除した場合、正解率は86%に達しました。このほか、日本の琵琶湖、ならびに明神海山における熱水鉱床の観測結果について報告しています。

本件の発表に関して、有識者からのフィードバックを期待しています。また、我々が提案するEVSを用いた観測システムを研究者に無償貸与する活動も行っています。ご連絡をお待ちしております。

なお本研究の一部は、2021年に文部科学省の開催する公募「海洋資源利用促進技術開発プログラム海洋生物ビッグデータ活用技術高度化」で採択されたプロジェクトで行われており、高塚 進がプロジェクトの代表研究者を務めています。

また、極地研究の第一人者である東京大学大気海洋研究所 国際・地域連携研究センターの原田 尚美 教授が研究代表を務める科学研究費 特別推進研究「東南極周辺南大洋の環境変化と生物地球化学循環・低次生態系の応答」へ参加するほか、その他にも複数の海洋研究に協力しています。

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