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2023.10.10

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ソニーグループ(株)の末松 三豪が日本工業出版「プラスチックス」10月号に研究成果を寄稿

廃プラスチックス(以降、廃プラ)は、製造過程や経年劣化で素材が混合状態となりリサイクルには選別や洗浄が必要になる。ソニーグループ(株)Technology Infrastructure Center 先端研究部の末松三豪 […]

海に漂着したプラスチックごみの画像

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  • 末松 三豪

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廃プラスチックス(以降、廃プラ)は、製造過程や経年劣化で素材が混合状態となりリサイクルには選別や洗浄が必要になる。ソニーグループ(株)Technology Infrastructure Center 先端研究部の末松三豪のチームは、混合状態をポテンシャルと捉え、高付加価値材料として扱う研究に取り組んでいる。廃プラが使用過程で獲得した機能を“昆虫の行動制御材”として利用する可能性について多方面から意見を得るため2023年10月10日発売のプラスチックス誌に寄稿文を掲載した。

プラスチックスは現代の生活に欠かせない素材だが、製造過程や経年劣化から素材が混合し、同じ用途に使用するためには選別や洗浄を行うコストがかかる。そのため元の用途より要求水準の低い用途でのリサイクルが一般的になっている。
こうした背景から、廃棄物の混合状態を価値と捉え、より付加価値が高い用途で再利用を目指す研究に取り組んでいる。さまざまな用途が想定される中、本件では廃プラを“昆虫の行動制御材”として利用する可能性について報告する。

ポリスチレン製の漁業用の“浮き”について、使用済みと未使用品の化学的な相違を分析すると、使用済みの“浮き”からは未使用品にない酸素を含有するアセトフェノンやフェニルプロパノール等の物質が観測された。アセトフェノンはシャーガス病の媒体となるオオサシガメや、デング熱の媒介蚊として知られているネッタイシマカに対して「忌避」効果があることが過去の研究結果から知られており、同成分を含有する廃プラも昆虫の「忌避」の効果を得られると考えた。そこでデング熱を媒介するヒトスジシマカを用いて忌避試験を実施。アセトフェノン、ベンズアルデヒドの化学物質成分及び酸化物含有ポリスチレンがヒトスジシマカに対して忌避材として機能する結果が得られた。ほかにも安息香酸はコクゾウムシや松くい虫など穀物や森林の病害につながる昆虫の忌避材として機能し得る。対象となるプラスチックスの種類や用途が変われば、廃プラに混入される物質も変わり発現する機能も異なってくる。


国内の太平洋側海岸で収拾した廃プラからの発生ガスと昆虫への効果

我々の考えに於いて、使用済み材料が有する混合状態を価値と捉え材料を再利用する可能性が見えてきた。今後も循環経済の達成貢献を目指して廃プラに拘らず、多くの廃棄物を対象とした高次利用を検討していく予定である。

●日本工業出版 「プラスチックス 2023年10月号

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