日本における人工知能分野の最大級の学術的な集会である第37回人工知能学会全国大会が日本・熊本で2023年6月6日~9日に開催され、鈴木健二による「説明可能なデータバイアス緩和」の発表が全国大会優秀賞を受賞しました。
受賞名
人工知能学会 全国大会優秀賞
受賞論文
説明可能なデータバイアス緩和
受賞内容
本研究は、データの偏りを緩和するだけでなく、その理由を人間が理解できる説明可能な公平性手法の提案です。機械学習アルゴリズムは、雇用や融資などの意思決定のようにリスクの高いユースケースもあり、公平性、説明責任、透明性が求められます。性別、人種、年齢などのセンシティブな属性によるAI予測の違いは、グループ間公平性の問題です。AIにおけるバイアス緩和には様々な手法が提案されていますが、従来の手法ではどのような基準でデータバイアス緩和を行ったのかを人間が直感的に理解できないという問題がありました。そこで、説明可能なAIを用いたバイアス緩和手法を提案し、人間がバイアス緩和を理解できることを示しました。
受賞者コメント
人工知能学会 全国大会優秀賞という名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。本研究は、AI倫理での課題について、データの偏りを緩和するだけでなく, その理由を人間が理解できる説明可能なバイアス緩和手法を提案しました。本研究が AI 利活用における公平性、説明責任、透明性への一助となれば幸いです。本研究を支えてくださった関係者の皆様へお礼を申し上げます.また、人工知能学会にて、多くの方々と議論ができたことは、非常に有益でした。本受賞を励みとして、実務で活用できるレベルの AI 倫理の研究を追求していきたいと考えております。